5歳児健診ポータル

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保健師が保護者全員と個別面談を実施する園医方式による5歳児健診

北海道妹背牛町

金城大学 看護学部 准教授

子吉 知恵美

北海道妹背牛町(人口約2,500人)で実施されている園医方式による5歳児健診を電話取材しました。

妹背牛町は2010(H22)年から、医師の診察がない5歳児発達相談を実施していました。3歳児健診から就学時健診まで、子どもにも保護者にも会うことがない狭間の年齢で、就学を見越して、保護者と子どもの発達について話をする機会を得ることは、重要であると考えたためです。当時は医師の診察はありませんでしたが、園に保健師が出向き子どもたちの集団生活での様子を観察し、その後保健師が保護者に結果を説明するかたちで「5歳児健診」と呼びながらの開催でした。

実施の経緯

2023(R5)年からは医師の診察と保護者面談も合わせて実施することとなり、現在の「5歳児健診」として開始しています。健診方法を園医方式とした理由は、これまで保育所で5歳児健診を実施していた流れで、医師診察も保育所で実施できるよう園医方式を取り入れました。町内には町立の保育所がひとつしかなく、保育所との協議もスムーズに進みました。管内では町の状況に応じて集団・個別形式を選択する町もありましたが、様々な視点から検討した結果、最終的に当町では園医方式を選択しました。

保護者全員と面談を実施

妹背牛町の園医方式は、保健師が園での子どもの様子を把握するだけではなく、保護者全員と面談を実施していることが特徴です。保護者との面談においても、園での子どもの様子を保健師も把握していることから、園での様子についても話ができるなど、保護者に集団生活を送るうえで今後工夫が必要になりそうなことを共有できているということです。また、子どもたちが通う園で保健師が保護者と面談をするため、年度はじめには、保護者との面談日も含めた5歳児健診の日程を保護者に通知しており、100%の受診率をキープしています。

就学前の狭間を埋めるための実施体制

5歳児健診には、教育委員会や小学校関係者の参加はありませんが、小学校や教育委員会とは情報共有がかねてよりスムーズであり、就学時健診のカンファレンスには保健師も参加しています。子どもたちが小学校に入学後も、通級のコーディネーターや小学校教頭先生とは情報共有しながら、保健師も必要な支援を行っています。就学前の狭間を埋める健診として、5歳児健診は子どもの育ちや就学について、保護者とも会って話ができる機会となっています。

取材の感想

子どもの育ちを、保護者とともに子どもの発達を考える場としての位置づけを行い、保護者全員と保健師が個別面談を実施していることは、重要な意味をもっていると感じました。また、教育委員会や小学校と情報共有がスムーズであり、地域で暮らす子どもと保護者を支えるための連絡調整ができていることは、モデル的な実践であると感じました。妹背牛町の保健師さんからも、これから実施する自治体の皆さんに、「保護者と一緒に会う機会を設けることはよいですよ」というメッセージをいただきました。是非、5歳児健診を機に、保護者と会い、子どもたちにとって大きな一歩である子どもの育ちや就学に向けた話し合いができる場となることを切に願います。

北海道妹背牛町の5歳児健診実施データ

自治体名
北海道妹背牛町
設置区分
補助金利用の有無
あり(母子保健衛生費国庫補助金)
年間出生児数
〜50人
実施形式
園医方式での集団健診
実施開始年度
2010年
実施回数
年2回
1回の人数
10名以内
参加職種
小児科医 / 保健師 / 保育士 / 言語聴覚士 / その他
医師の確保方法
地区の医師会に依頼
健診の流れで
実施している事柄
  • 事前カンファレンスを実施している
  • 事前に保育所・園からこどもの様子について情報を得ている
  • 保育所・園からSDQやその他アンケートを実施している
  • 健診当日に保健指導(育児環境支援・生活習慣・育てにくさへの対応等)を実施している
  • 健診当日に専門相談(子育て相談・栄養相談・療育相談・心理発達相談・教育相談等)を実施している
  • 健診後カンファレンスを実施している
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専門相談の後の対応
  • 医療機関紹介
  • / 療育機関紹介
  • / 通園施設でフォロー
  • / 園・保育所との情報共有
こども一人あたりの
医師の診察時間
3分以内
保健師による1回の
個別相談時間
20分以上
健診後カンファレンスへの
医師の参加
参加していない
5歳児健診のメリット
  • 生活習慣の指導
  • / 保護者の不安への対応
  • / 就学への指導対応

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本サイトは、令和6年度こども家庭科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業「こどもの健やかな成長・発達のためのバイオサイコソーシャルの観点(身体的・精神的・社会的な観点)からの切れ目のない支援の推進のための研究」により制作されました。

研究代表者:永光 信一郎(福岡大学医学部小児科 主任教授)

Eメール:snagamit@fukuoka-u.ac.jp